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2007年10月29日

懐かしい詩

新聞を読んでいると、今年は、中原中也生誕100年という記事に目がとまった。
学生の頃に「汚れつちまつた悲しみに」や「茶色い戦争がありました」など読んだことを思い出した。
なかでも、「月夜の浜辺」は今でも、懐かしく内容が思い出される。
月夜の晩に拾ったボタンをどうしようかと…。
なんてことはない内容のようにも思うが、心に響く詩である。

月夜の晩に、 ボタンが一つ
波打ち際に、 落ちていた。

それを拾って、 役立てようと
僕は思ったわけでもないが
なぜだかそれを捨てるに忍びず
僕はそれを、 袂に入れた。

月夜の晩に、 ボタンが一つ
波打ち際に、 落ちていた。

それを拾って、役立てようと
僕は思ったわけでもないが
       月に向かってそれは抛れず
       波に向かってそれは抛れず
僕はそれを、袂にいれた。

月夜の晩に、拾ったボタンは
指先に沁み、 心に沁みた。

月夜の晩に、 拾ったボタンは
どうしてそれが、 捨てられようか?

このボタンは役に立つ、立たないという観点から読めば、役にたたないものではあるが、
日常生活の中で、何となくある出会いや別れ、何となく記憶にある思い出など心にとまること
…通常、役に立つとか立たないで割り切れるものばかりでないのが人生だと思う。
月夜の晩に拾ったボタンはそんなものかもしれない。

また、改めて中原中也の詩集を読み返してみたいと思う。違う発見があるかもしれない。

投稿者 aplan : 2007年10月29日 14:29

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